半導体デバイスにおけるシリアル通信は、データの送受信に広く利用される技術です。本記事では、初心者向けにシリアル通信の基本用語や使い方について解説します。
シリアル通信の基礎知識
シリアル通信とは、データを1ビットずつ順番に送信する通信方式です。これに対して、パラレル通信は複数のビットを同時に送信します。シリアル通信は、配線が少なくて済むため、特に長距離通信やデバイス同士の接続において非常に便利です。
シリアル通信の主なプロトコル
シリアル通信にはいくつかのプロトコルがありますが、特に代表的なものとして以下の3つが挙げられます。
1. **UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)**
UARTは、非同期式のシリアル通信方式で、データの送受信にスタートビットとストップビットを使用します。これにより、送信側と受信側のクロックを同期させる必要がなく、シンプルな構造が特徴です。
2. **SPI(Serial Peripheral Interface)**
SPIは、フルデュプレックス通信が可能なプロトコルで、主にマイクロコントローラーと周辺機器の接続に使用されます。4本の線(MOSI、MISO、SCK、SS)を使用して、データの送受信を行います。
3. **I2C(Inter-Integrated Circuit)**
I2Cは、2本の線(SDA、SCL)を使って複数のデバイスを接続できる通信方式です。アドレス指定が可能で、複数のデバイス間での通信が容易です。主にセンサーやメモリデバイスとの接続に利用されます。
シリアル通信の基本用語
シリアル通信を理解するためには、いくつかの基本用語を知っておく必要があります。
– **ボーレート**
ボーレートは、データ転送速度を表す単位で、1秒間に何ビットのデータを送信できるかを示します。例えば、ボーレートが9600の場合、1秒間に9600ビットのデータを送信できます。
– **データビット**
データビットは、実際に送信される情報のビット数を示します。一般的には、8ビット(1バイト)が使われることが多いです。
– **パリティビット**
パリティビットは、データの誤り検出のために追加されるビットです。偶数パリティや奇数パリティなど、エラーをチェックするための方法があります。
– **ストップビット**
ストップビットは、データの送信が終了したことを示すために使用されるビットです。通常、1ビットまたは2ビットが使われます。
シリアル通信の使い方
シリアル通信を利用する際には、まずハードウェアの接続を行います。マイクロコントローラーとデバイスを適切に配線し、必要に応じてレベルシフターを使用して電圧を調整します。
次に、ソフトウェア側で通信設定を行います。使用するプロトコルに応じて、ボーレートやデータビット数、パリティビット、ストップビットを設定します。これらの設定が一致しないと、正常にデータを送受信できません。
実際のプログラミングでは、シリアル通信ライブラリを使用することが一般的です。例えば、Arduinoでは`Serial.begin()`関数を使って通信を開始し、`Serial.print()`や`Serial.read()`を使ってデータの送受信を行います。
まとめ
シリアル通信は、半導体デバイス間でのデータ送受信において非常に重要な
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